北九州市身体障害者福祉協会の事業の紹介⑯
字幕ボランティア養成事業(北九州市立聴覚障害者情報センター)
地上デジタル放送は2003年に東京、名古屋、大阪の3都市のエリア指定でスタートしました。その後、2006年に対象は全国へ広がり、現在では、テレビの標準機能として字幕放送を楽しむことができます。しかし、まだまだ字幕がついていない番組もあります。ニュース・スポーツ中継などの生放送は、特に字幕挿入が難しい分野です。
一般的に字幕は表示時間によって文字数に制限があり、そのため要約作業が必要となります。さらに聴覚障害者向けの字幕の場合、セリフだけでなく、効果音など全ての音声を文字に書き起こす作業も加わります。また、字幕の表示位置も重要です。画面に映っている人の顔や口の形、表情などを隠してしまうと、話しているのは誰なのか?笑っているのか、怒っているのか?正確な情報が伝わりません。そのため、一般的な字幕作成の技術に加えて、聴覚障害のある方へ伝わる工夫が必要となります。
【どんな作業があるの?どんなことに注意しているの?】
・音声の文字起こし…台詞だけでなく玄関チャイムや車の音など、全ての音声が対象
・時間のデータ作成…字幕をどこからどこまで入れるのかを決めるため正確な時間が必要
・要約文作成…表示時間によって文字数に制限があるため、要約が必要
・文字入力…話し手が誰なのか分かるように文字の色を変える
・映像に字幕を合成…映像と字幕のタイミング、画面上の人の顔・テロップなどと重ねない
・表示チェック
現在、北九州市内では、字幕作成のボランティアサークル「クレヨン」が活動しており、テレビ番組や自主制作映像への字幕を挿入したDVD制作に協力いただいています。
今年度は今後の字幕制作事情も鑑み、字幕ボランティア養成講座を実施しています。今後、養成講座を機にさらに字幕作成のボランティアが増え、聴覚障害のある方が見たい時に見たい番組を見られる、そんな情報のバリアフリーをボランティアのみなさんと共に目指します。
詳細については聴覚障害者情報センターまでご連絡ください。
〇問い合わせ先
北九州市立聴覚障害者情報センター
住所:八幡西区黒崎三丁目15-3 コムシティ5階
電話:093-645-1216
FAX:093-645-3335