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LENCONのはじめの一歩

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LENCONの初めの一歩

 どうしても遊んでみたかった、鉄棒とジャングルジム

市身障協会職員 永松 玲子(ながまつ れいこ)

 

※サリドマイドの薬害のため、両肩から数本の指が少し出ているだけの状態で左目は失明、右目も眼球振動があり弱視(近づけば人がいるか識別できるくらい)

 

 37号のしんしょうだよりは、「初めての公園ブランコと滑り台編」でした。今回は公園で遊ぶようになり、どうしても遊んでみたかった「鉄棒とジャングルジム編」です。

 近所の子供たちと公園で遊ぶことに体も慣れ、滑り台の位置とブランコの位置だけなら迷わず行けるようになっていた私。ある日その公園でいつものように遊んでいると、地面を蹴る音、靴が地面に擦れる音、そしてかすかですが、金属音が聞こえてきました。

 何の音か確かめたくて近付いていくと、「危ないよ、蹴られるよ!」と友達の声。その声で鉄棒とジャングルジムも公園にはあることを知りました。

 鉄棒とジャングルジムがこの公園にあることを知ってからというもの、最初は友達や妹が遊んでいる声を聴くと近付きすぎない位置で見ていた私も、そのうちだんだん遊んでみたいという想いが出始め、いちばん低い鉄棒に右手、右足をかけてぶら下がろうとしました。私の頭の中ではみんなと同じようにちゃんとぶら下がれると思っていたからです。

 右手と右足の膝の後ろを鉄棒にかけ、左足を地面から離して、とっさに首で鉄棒を挟むと、右足と首の力でほんの少しぶらさがれたのですが、すぐに地面に落ちました。

 地面に落ちたことが私の中で納得できず、何度か同じようにぶら下がってみるのですが、何度やっても結果は同じ。そのうち友達から「玲子ちゃんはできんよ。手がないやん!」と言われました。その言葉にも納得できず、「手はあるやん!」と友達に見せて言い返し、それから小さな喧嘩になったので鉄棒から離れ、次にジャングルジムで遊ぼうとしました。

 でもジャングルジムもみんなが遊ぶようには遊べません。みんなは外側から登っていき、いちばん上から中に入り内側から外へ出てきます。そこでもやっぱり手のことを言われ喧嘩になりましたが、翌日は何事もなかったかのように一緒にブランコと滑り台で遊んでいたのを憶えています。

 私の中では、大きくなったらきっと手も伸びて大きくなるんだと思っていました。

 自分の姿を知るのは、もう少し後になるのですが…

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