精神障がい者支援の充実を目指して
北九州市精神障がい者家族会連合会
(あかつき会家族会)
会長 末安 良光(すえやす よしみつ)
私たちは、昭和57年あかつき会家族会を結成、以来30数年間、精神障がい者への偏見を無くして、健常者と同じように当事者が夢や希望をもって生活出来る社会を目指して、活動を続けてきました。
近年、障害者への支援も少しずつ改善され、就労支援、訪問支援、グループホームなどいろいろな社会資源も充実して来ました。しかし、当事者支援は家族に頼らざるを得ないのが現状です。
最近では、障害者総合支援法の施行、国連の障害者の権利条約の批准、障害者差別解消法(4月施行予定)など、障がい者支援の法整備が進みました。しかし、そうした中でも精神障がい者への差別と偏見は生き続け、支援も遅れております。
家族が最も困っているのは、統合失調症などで、症状が重くひきこもりになっている当事者とその家族の支援、発症間もない当事者と家族への支援などです。北九州市内には1万人を超える精神疾患の方がいますが、家族会や各種の社会資源に繋がっている方は一部の方に限られていると思われます。
平成18年より、障害者自立支援法が施行され、三障害(身体、知的、精神)が一元化されましたが、交通費の割引きその他の支援で身体障害者、知的障害者には有っても精神障がい者に無いものも多く、障がい者間の格差が残されたままとなっています。
課題は沢山有りますが、最近の主な取り組みとして、
① 全国の家族会(みんなねっと)と協力して、精神障がい者のJR運賃や民間交通機関の運賃割引きを求め、100万筆署名(平成28年6月国会請願予定)に取り組んでおります。
② ひきこもりの当事者・家族支援として、看護師、精神保健福祉士、作業療法士など多職種チームによる24時間、365日、生活の場に訪問して支援する「ACT(アクト)」に期待しています。昨年4月には「Q―ACT北九州」が小倉北区に開設されました。
③ 発症間もない、当事者を抱える家族はどのように対応して良いか判らないのが現状です。そのような家族に対して、経験のある家族を交えて学び合う「家族による家族学習会」に取り組んでおります。27年度は、西部障害者福祉会館内で開催しております。
④ 現在の国の制度では、家族に対する支援が不足しています。家族は当事者の支援で疲弊しており「家族支援の充実」を目指しています。
⑤ 障害者施策を改善するために、行政、福祉・医療、関係諸団体や地域との連携、共同に取り組んでいます。