人は「つらく・悲しい思い出」だけでは生きていけない、 私の『まあまあな人生』
区の会員の中には、当協会が企画する全国・九州の福祉大会参加を兼ねた観光旅行を楽しみにしている人もいました。こんなエピソードがあります。
普段は施設暮らしで、この観光旅行を楽しみに1年間貯金をしてお母さんと一緒に旅行に参加する人がいました。宿泊先のホテルでは大きなお風呂に入り、夜は宴会です。施設では週に1日、夕食時にお酒が少し飲める日があるだけですが、この日だけは好きなお酒がたくさん飲めるのです。
お母さんは私にこう言いました。
「息子はこの旅行を楽しみに1年間頑張って貯金をするんですよ。見てください。施設ではあんなに楽しそうな顔を見たことがありません」と。
人は『つらく・悲しい思い出』だけでは生きていけません。障害のある人は、障害があるがゆえに日頃、つらく・悲しい思い出を心の奥深くに秘めて生活している人が少なくないと思います。
以前ピア・カウンセリング講座に参加した時のお話です。講座の中で自分が秘めている、『つらく・悲しい思い出』をお互いに話す場面があり、話しているうちに周りの目を気にすることなく泣き出した人がいました。涙があふれ出る中、話し終えたその人の表情は、気持ちがスッキリしたように私には見えました。この講座は “自分の気持ちを心の奥深くに隠さないで、表に出していいんだよ”と言っている講座なんだなあと思いました。
人は、自分の『つらく・悲しい思い出』が開放できた時、楽しい時間が過ごせた時、人生が変わっていくように思えます。
いつも「おいちゃん(私のこと)と話をすると気持ちが楽になる」と言って電話をかけてくる人がいます。その人に、私はいつも「楽しいことをたくさん見つけなさい」と言葉をかけます。
それは、自分の人生を振り返ると、下肢障害のある私自身、今までつらく・悲しいこともあったけど、楽しいこともあった『まあまあな人生』だったなぁと思えるからです。
ご寄付ありがとうございます
この度、若松健二様より温かいご寄付を賜りました。
いただいたご支援は、障害者福祉会館を利用する皆様に喜んでいただける備品購入のために有意義に活用させていただきます。
温かいご厚意に、心より感謝申し上げます。



