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初めての経験。そして楽しい失敗。

車イスと人生

     吉田秀樹公認会計士事務所所長 吉田 秀樹(よしだ ひでき)

 

 中間(なかま)はどこにあるのですか?名刺を渡すとよく聞かれる。

 九州の北部にあって山あり谷ありで遠賀川(おんががわ)流域にある小さな田舎町ですと答えている。

 自宅から勤務先まで500m、田舎道を車イスで通勤して約25年、鳥や虫の声、道端に咲く、花や草に季節を感じながらの毎日である。周りに気を取られると、思わぬ災難に合う。道端の側溝ふたのすきまに前輪が落ち込み、どうにも動けなくなる。

 25年の年月を経ると、車イスの横を足早に通り抜けた方が、今は電動車イスで通り抜ける。子どもと手を繋いで歩いていた方が、孫の手を繋いで歩いていく。

 仕事柄、車イスでの遠方出張が多く、私の唯一の誇りは47都道府県すべて訪問したことである。当初は、車イスでの出張はなかなか不便であった。地方空港はブリッジがなく、タラップを空港職員が車イスをかかえて乗り降りした。JRの駅もエレベーターがなく、階段を駅職員が汗をかいてくれた。最近は、どこも整備され、みなさんに手をかりることは少なくなった。

 しかし、駅からタクシーを利用する際、車イス利用を理由に乗車を拒否されることは、あまり今も昔も変わっていない。残念!!

 車イスを利用することで素晴らしい経験もした。東京駅(とうきょうえき)の伝説の地下道を通行することができた。天皇陛下がご臨席の会議では「ご苦労様です。」とお声をかけていただいた。

 これからの人生、残り少なくなってきた感があるが、車イスと一緒に、苦楽を味わいながら、出張を楽しむ思いである。

 締めくくりとして、子どもを運んだ車イスのステップに、今しばらくすると孫が乗りそうである。楽しみである。

吉田さんの写真

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