5 ちょっと一息~リレーコラム
スペースワールド〈肩パット時代編〉
主 任 大久保 彩
宇宙旅行が現実味を帯びてきた時代の中、地元八幡のスペースワールドが、惜しま
れつつ閉園してから早くも2年が経ちました。実は私、スペースワールドのオープン
当時、アルバイトをしていたんです。
「スペースドーム」というアトラクションの中で、宇宙都市へのツアーに参加するお
客様のご案内係。シャトルという乗り物に誘導する地球側のスタッフでした。
作業員のイメージなのか、水色のツナギ風の制服には、時代ですね「肩パット」が
しっかり入ってました。対照的なのはシャトルのCAさん。キラキラとまばゆい帽子
をかぶり、スタイリッシュな制服に身を包んだ彼女たちはとても華やかでした。美人
さんが選ばれているのは明らかで、バイト仲間と妬んだものです(笑)
「只今より、シャトルツアーで、皆さまを宇宙都市コスモピアへご案内いたします。
宇宙到着後は3つのツアーに分かれております。お手持ちの搭乗券は各ツアーご搭乗
の際に必要となりますので、無くされませんようご注意ください…」かれこれ30年
前のアナウンスを、なぜだかしっかり覚えています。シャイでおとなしくて(ホント
です)、元来人前で話すことは苦手でしたが、あの頃の経験のおかげで少しは度胸が
ついたように思います。
そうそう、当時はよくシャトルが途中で止まってしまい、お客様には「ワープ通路」
という名の非常通路から地球へご帰還いただいていました。
道中、お客様に「地球には、歩いて帰れるんだね」なんて言われても、「はい、只今
ワープしておりますので」と全く動じない太々しさも、思えばあの頃身につけたのかも
しれません。
2017年12月31日―グランドフィナーレを迎えたスペースワールドの最後のポ
スターに、こんなことが書かれていました。
不器用で、ちっぽけで、でも、一生懸命がんばった遊園地を、
どうか、どうか、忘れないでください
…ぐっときちゃいました。
忘れませんとも。
私も不器用でちっぽけだけど、とにかく今年も一生懸命がんばります。