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初めての経験 そして、楽しい失敗

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初めての経験 そして、楽しい失敗

 チャレンジしていきたいと思える日々

岩岡 美咲

 

 私は高校二年生の時、頸椎を損傷しました。怪我してすぐは「あ~明日クラスマッチだったのに。無遅刻無欠席の記録が…。」とか、そんなことを考えていて動かない体に対しては何も考えていませんでした。さすがに入院生活が続けば気づいてくるもので「なんで私が!」ってこともなく、なんとなく自分の現状を受け入れていた気がします。

 2年弱の入院生活を経て新しい我が家に帰って来たのですが、病院と違って毎日リハビリがあるわけではないし、自分の部屋でひとり、ただインターネットをしてる時間が増えました。ひとりでいる時間が増えると考え事をする時間も増えました。「なにしてるんだろ…私…いや、なにもできないし。」何かを考えようとしたって答えが出るわけじゃないし、ただただ何もない時間が過ぎた気がします。

 ある時、車イスに乗った人が2人、遊びに来てくれました。女性の車イスの人はお母様と…男性の車イスの人は…弟?…ではなく、ヘルパーさんと一緒でした。そこで初めて聞く話は「すごいな~。いいな~。」って思ったのは覚えていますが、どこか自分には無理って思っていました。

 でも、今は違います。最初は週3回だった訪問看護に毎日来てもらえるようになり、ヘルパーさんに入ってもらう時間も増えました。これだけで親の負担が減ったとは思いませんが、退院してすぐの時と比べると親と離れる時間は確実に増えました。外に出かける機会も増えました。私もやろうと思えばできるのかもって気づかせてもらいました。

 先日、近くの市民センターで講演会がありました。母が下見に行ってくれて車イスでも大丈夫そうってことで、母と弟と私とヘルパーさんで行きました。「エレベーターはこっちです。」時間も迫ってて慌ててエレベーターに乗ろうとしましたが…「無理!入らん!」ってなりました。そこから大人の男性が5,6人で車イスごと私を抱えて階段を上ってくれました。下りる時も5,6人の男性が抱えてくれました。「イケメンに囲まれて幸せやね~。」って車イスを抱えながら言っていた人が一番そうではない人で危うくツッコミそうになりましたが階段の途中だったのでやめました。

 もし、最初からエレベーターに車イスが入らないって分かっていたらその講演会には行かなかったと思います。私にとってバリアフリーじゃないエレベーターより、手を貸してくださった人たちの温かさやありがたさを感じられました。

 買い物に行ったり、映画に行ったり、仲間たちとの集まりに行ったり…充実してきたかもって思うのは最近です。私もやっと、そういうことができるようになりました。外に出ればいろんなことがあると思いますが、初めから諦めるのではなく、どんどんチャレンジしていきたいなって思ってます。

 今の私を助けてくれる、支えてくれる、すべての人に感謝しています。

 

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