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4 ちょっと一息~リレーコラム

点字図書館だより

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4 ちょっと一息~リレーコラム

市政だより担当 古庄 泰子

 

 私は道が覚えられません。地図もよく読めません。
 高校の頃、数学で「ベクトル」という単元がありました。授業に入る前に先生が「ベクトルは方向音痴の奴には難しいかもしれんぞ」と言いました。どういう因果関係があるのかと疑いながら授業を受けましたが、ちんぷんかんぷんでした。元々数学は苦手でテストもギリギリのところで切り抜けていましたが、この単元は欠点を取り、追試を受ける羽目になりました。それまで自分が方向音痴であることに無自覚に生きてきたのでしょうか。私はこの時に呪いをかけられたんだと思っています。以来、道で苦労することが多くなりました。
 京都に旅行に行った時のことです。京都は道が「碁盤の目」になっているから迷うことがないと言われています。道が縦横規則正しく並んでいるからわかりやすいとのことですが、「道が2本以上ある限り、迷う」というのが旅行前の私の感想です。案の定、迷いました。目的地を前日に見かけ、場所の確認をしたにも関わらず、当日なかなか辿り着くことができず、冬の京都を駆けずり回ることになりました。
 また、地図があっても読めないので持っていてもあまり意味がありませんが、無いよりはあった方がいい。あとは、とにかく住所が頼りです。知らない場所では必ず住所のメモを持っていき、民家の塀や電信柱などにある緑色の住所プレートを辿るという方法を実践しています。これで迷うことがかなり減ったので目的地に辿り着いた時にはスカした顔をしていますが、人の家の住所を確認して回っているので道中は完全に不審者。
 また最近では、こんな私を救ってくれる地図アプリの存在が欠かせません。現在地と目的地を設定すると画面上にルートを標してくれます。しかも自分が今いる場所を青丸で印してくれるのです。ただ、私は地図が読めない。ここまでしてくれてもわからない。紙の地図同様、スマホをひっくり返したりしても位置がつかめない。そんな私の使い方はこうです。とりあえず移動してみて、その青丸が目的地から離れていけば間違っているので、反対の道へ。また間違っていれば、また別の道へ。これをひたすらやってみる。目的地に向かうというより、目的地を自力で近づけている感覚になります。結局、四方八方歩き回ることになるのですが、紙の地図を持って途方に暮れるより断然良いです。
 次に京都に行くときは万全な体制で臨みたいですね。迷ってタクシーを拾おうとして「反対側やから、向こうのタクシー乗って」と乗車拒否されて泣くことがないように。


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