今を駆ける~障害福祉の世界に生きる人たち~
「人と人の繋がりを大切にしたい。」
リーガロイヤルホテル小倉 小野 賢治(おの けんじ)
障害のある方々との繋がりが出来たのは、とある二人との出会いでした。
音楽家の渡辺知子(わたなべともこ)さん、そしてご主人の橋本(はしもと)たかしさんです。この二人との出会いで、今までの生活が劇的に変わりました。
渡辺知子さん自身も紫斑病(しはんびょう)、くも膜下出血と生死を彷徨う大病を患い、辛いリハビリを乗り越えて復活されました。そして自身の経験を活かし、主催する「音もだちクラブ」で、耳が聞こえない方にも手話で音楽を楽しんで頂きたいと、手話の勉強を皆でスタート。北九州市聴覚障害者協会の大澤(おおさわ)先生にご指導頂き、コンサートで披露する事が出来ました。
音もだちクラブのメンバーにも様々な障害のある仲間がいます。これらの活動の中で、障害のある皆さんと一緒に活動し、様々な事を学ぶことが出来ました。
最初は「何をして差し上げたら良いのだろうか?」など押しつけがましい考えを持っていましたが、一緒に活動するうちに「必要な事は求められる。それ以上は必要ない。自然に接する事が一番大切だ」と分かりました。今は必要な事を求められる前に対応できるようにと心掛けていますが、まだまだ・・・です。
障害のある皆さんと自然に付き合えるようになれば繋がりはまだまだ広がると思います。
また、色々と教えられる事もたくさんありました。
サリドマイドで両腕が無い永松玲子(ながまつれいこ)さん。彼女は足で何でも出来るスーパーマンです。人前では決して弱音を吐かない彼女と接していると、自分自身にどんな辛いことがあっても、「こんな事出来ない」「もうだめだ」とか弱音は吐けなくなりました。マイナスをプラスに変える魔力を持つ永松玲子さんに感謝です。
繋がりが広がるとプライベートだけでなく、仕事にも繋がってきました。
一番最初に友達になった畑間英一(はたまえいいち)さん。車椅子の方との接し方を教わりました。プライベートでもお付き合い頂くうちに「今度、結婚します!」との話が上り、弊社にて披露宴をあげて頂き、更に奥様のご兄弟も披露宴をあげて頂きました。皆さんとお付き合いしていくうちに北九州市身体障害者福祉協会の方々とも知り合い、様々な大会のお手伝いもさせて頂き、人と人の繋がりは本当にありがたい事だと実感しています。
自分一人では何も出来ませんが、皆で力を合わせれば何でも出来る。その為には「人と人の繋がりを大切にする」事が必要で、これからも多くの出会いを大切にしていきたいと思います。