初めての経験。そして楽しい失敗
初めての飛行機、凄く怖かった!今は、笑い話!
音(おと)もだちclub 秦 幸子(はた さちこ)
今から約3年前程の話になりますが、急遽、千葉に行くことになり、初めて飛行機に乗ることになりました。
事前に決まっていた座席は飛行機の中ほどでしたが、私が杖をついて歩行しているので、搭乗手続きの時、飛行機の搭乗口から近い座席に変更して頂きました。
飛行機の搭乗まで時間があったので、空港内のお土産売り場を散策し、試食が出来る店舗をハシゴして、気に入った食べ物をお土産に購入し、時間を潰していました。
搭乗案内のアナウンスがあり、飛行機の搭乗口に近づくにつれて、足が前に進まなくなってしまいました。
息子も初めての飛行機なのに恐怖心がないのか、先に歩いて行き、立ち止まっている私に気がつくと戻ってきて、「ママ早く」とせかすのでした。
何度も後ずさりを繰り返し、やっとの思いで飛行機に搭乗し、座席に着きました。
客室乗務員のアナウンスがあり、飛行機が少し動いただけで私は、「落ちる、落ちる」と叫んでいました。
「まだ、飛んでないから落ちないよ」と息子から言われましたが、私の頭の中では、「飛行機は落ちる」と認識しているせいか、恐怖心で頭がパニック状態でした。
それから、滑走路(かっそうろ)に入り、加速すると また、「落ちる、落ちる」と叫んでしまいました。
私の斜め前には、私の方を向いた客室乗務員の女性が座って、笑っていました。
安定飛行に入って、窓から外を覗くと一面に雲が広がっていました。
勿論、生では初めて見る景色でした。怖いのに何故か窓側に座る私なのです。
その後、叫び疲れたのか放心状態でいました。
静岡付近を通過中に窓の外には、富士山(ふじさん)が見えていたそうです。
成田空港に着陸前、窓の外から景色を見ると眼下に地上が見え、恐怖から「落ちる!落ちる!」とまた、叫んでいました。
やっと、着陸して飛行機が停止しても、すぐには立ち上がることが出来ませんでした。
待ち合わせをしていた友人と会い、一緒に食事をしました。
私は、お昼ご飯が喉を通らなかったせいか、夕食のご飯を三杯もおかわりしました。
帰路も飛行機でしたが、少しは落ち着いて搭乗することができました。
今でも、飛行機の話になると笑い話になります。