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社会資源紹介コーナー~つなぐ、つながるために~

しんしょう協会について

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社会資源紹介コーナー~つなぐ、つながるために~

Y′s cafe(ワイズカフェ)

 

 風に揺れる白い暖簾の、珈琲豆の小枝をくわえた小鳥のロゴが「ここだよ」と教えてくれる「Y′s cafe(ワイズカフェ)」―暖簾をくぐると、珈琲の香りをふんわりとまとった店長の吉岡由紀(よしおか ゆき)さんが笑顔で迎えてくれました。

 Y′s cafeは、無農薬栽培の豆をメインに扱う、珈琲好きも唸る自家焙煎の珈琲屋さんです。白い漆喰の壁、足に心地よい板張りの床、吊るされたランプ、大きなガラス瓶に入った珈琲豆…お湯をわかす吉岡さんとの距離もほど良いその空間に身を置くと、馴染みのお店に来たような錯覚を覚えました。見渡すと、壁際のラックには、さまざまな施設や事業所のパンフレットが並んでいます。木製棚には、お母さんたちが作ったプロ顔負けの小物や、作業所で作られたお菓子も。どれも、何の気なしに眺めたり手にしたりしたくなるのは、「いつでも誰でもどうぞ」というお店の雰囲気によるものかもしれません。

 

 吉岡さんは、息子さんの育てづらさに悩んできました。子育てって、こんなにも上手くいかないの?これが普通?―周りのお母さんたちと話をしても、何か違う、そうじゃない…スッキリしないモヤモヤを抱えていた吉岡さんは、ある時、小学校の通級指導教室の保護者交流会に参加しました。「そこで話をして初めて、『自分と同じ!』と思えたんです。もう話が止まらないんですよ、お母さん同士。そう、そう!そうよね!って…全部語らなくてもわかってもらえる、共感できる、私にとって初めての場所でした」 こんなお母さんが他にもいる、私だけじゃない、同じ思いを共有できる「場所」が必要だと強く思った吉岡さんは自ら、コミュニティカフェとしてY′s cafeを立ち上げました。

 近年「発達障害」と診断される子どもは、増加傾向にあると言われます。様々なサポートが必要な子どもや保護者にとって、既存の施設や制度だけでは補えないものがあると吉岡さんは感じています。「例えば『A』と『B』という制度があっても、AでもBでもない狭間(はざま)で彷徨っていたり、そこまでたどり着けなかったり…すき間に落っこちて、疲れ切っているお母さんたちがたくさんいるんです。目の前の子どもが大変だったら、情報を探す余裕も気力もないんですよね」 疲れ切って暗いトンネルの中にいるようなお母さんたちに、公的な施設や制度は少し遠くに感じてしまうものなのかもしれません。

 

▲「つなカフェ」で語らう保護者と支援者

 そんなお母さんたちが、ちょっとお茶でも飲みながら話せる場所、ひと休みできる場所になればと、Y′s cafeでは「すき間支援」に賛同する仲間たちと共に、『小さなお話し会 つなカフェ』や勉強会を定期的に開催し、子育てに悩む保護者と経験者、専門家をつないでいます。「私も一人でしんどかったよ」―先輩お母さんたちの共感に、相談者のこわばりも解(ほど)けていきます。

 「悩みを相談するつもりが、他愛のない話で終わっちゃったってこともよくあります。それでもいいんです。「一人じゃない」「私だけじゃない」「あそこに行けば誰かとつながれる」と思ってもらえたら―」吉岡さん自身も「とても一人じゃここまで出来ません」と繰り返します。「賛同する仲間や、現場で働く福祉関係、専門分野の有志の方々の協力があってこそ。『これやりたい』って言ったら、時間をやり繰りして集まってくれる人たちが、私だけではつながれなかった人たちともつなげてくれるんです」 人と人がつながる「つなカフェ」―吉岡さんたちが目指したものが一つの形となって続いています。

「いつもある、行けば誰かいる、それがありがたいって言われます。無くなっちゃ困る、吉岡さん何もしなくてもいいから、『居て』って(笑) ふらっと立ち寄れて、行ってみたらお母さんたちのたまり場になっていたり、新しい誰かと出会えたり、誰かと誰かが勝手に盛り上がっていたり…(笑)まだまだ模索中ですが、そんな場所であり続ける努力はしていこうって思います」

 

 人と人をつなぐ街の珈琲屋さん―美味しい珈琲を淹れながら、吉岡さんは今日も新しい誰かとつながっているかもしれません。

 

 

Y′s cafe 

小倉北区中井5丁目19-3(駐車場2台) 電話 080-2557-9323(吉岡)

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