昨年度からの、主な文学賞を受賞した作品のいくつかを、サピエ図書館での着手・完成状況と併せてご紹介します。
●本屋大賞
「同志少女よ、敵を撃て」 逢坂 冬馬 著
〈内容〉1942年、モスクワ近郊の農村で暮らす少女は、急襲したドイツ軍によって、母を殺された。赤軍の女性兵士に命を救われた少女は、母を撃ったドイツ兵に復讐をはたすべく、狙撃兵になることを決意する。第11回(2021年)アガサ・クリスティー賞受賞。 (点字 着手あり、デイジー 完成あり)
●本屋大賞 翻訳小説部門
「三十の反撃」 ソン・ウォンピョン 著
〈内容〉大企業の非正規社員として働く平凡な女性キム・ジヘは、世の中にも会社にも期待することを諦めていた。だが、一癖ある同僚ギュオクとの出会いにより社会への小さな反撃を始める。次第にジヘは自分らしい生き方を模索し…。(点字・デイジー 着手あり)
●芥川龍之介文学賞
「ブラックボックス」 砂川 文次 著
〈内容〉ずっと遠くに行きたかった。今も行きたいと思っている。自分の中の怒りの暴発を、なぜ止められないのだろう。自転車便のメッセンジャー、サクマは都内を今日もひた走る。(点字 着手あり、デイジー 完成あり)
●直木三十五賞
「塞王の楯」 今村 翔吾 著
〈内容〉決して破られない石垣を造ろうとする石工の匡介。しかし、そこに立ちふさがるのは、どんな守りも打ち破るという彦九郎の砲。大津城を舞台に、信念をかけた職人の対決が幕を開ける。(点字 着手あり・デイジー・テキスト 完成あり)
「黒牢城」 米澤 穂信 著
〈内容〉織田信長に叛旗を翻して有岡城に立て籠もった荒木村重は難事件に翻弄される。村重は、土牢の囚人にして織田方の軍師・黒田官兵衛に謎を解くよう求めた。事件の裏には何が潜むのか-。(点字・デイジー 完成あり)
●吉川英治文学新人賞
「残月記」 小田 雅久仁 著
〈内容〉近未来の日本、人々を震撼させている感染症「月昂」に冒された若者。カリスマ暴
君の歪んだ願望に運命を翻弄されながら、愛する女のために抗い続け…。表題作はじめ全3編を収録。(点字・デイジー・テキスト 着手あり)
「スモールワールズ」 一穂 ミチ 著
〈内容〉夫婦円満を装う主婦と、家庭に恵まれない少年。初孫の誕生に喜ぶ祖母と娘家族。向き合うことができなかった父と子…。誰かの悲しみに寄り添いながら、愛おしい喜怒哀楽を描く連作集。(点字・デイジー 完成あり)