まず、お母さん自身が落ち着くことに
ひまわり学園は当時母子通園で、私も一緒に通っていました。朝、お弁当を持って一緒に行って、園に着いたら子どもとは別れて、親は家に帰ったことにするんですが、残って園の中の別の場所で学習会に参加していました。そこで、園長先生から、障害についてのお話やアドバイスをたくさんいただきました。親からの質問にも的確に答えてくださったので、随分とそこで知識を持つことが出来たし、救われましたね。当時先生がおっしゃっていたのは、知識とか技術を教えるよりも、一番大事なのは情緒が安定したお子さんに育てることだと。そのためにはどうすればいいのかと言うと、お母さん自身が落ち着いていることだと…。心配なこともすごくたくさんあるけど、それは子どもにはあまり見せずに、ゆったりと接することが大事だと最初に教わったので、子どもに対してあまりキリキリせずにいられたのかもしれません。
私が今、事務局長を務める育成会(親の会)(※2)のことも、ひまわり学園を通して知りましたし、お母さん同士、子どものことについて話せたのも良かったですね。ダウン症のお子さんのお母さんたちは、お子さんが生まれた時からという経験の差もあって、私たちよりも障害受容が出来ているようでした。まだまだ揺れ動いている私たちにとっては良いお手本で「ああ、あんな風にどっしりと構えていられるんだ」「自分の子どもの事を笑って話せるようになるんだ」と思えたことはとても励みになりました。「私もいつかあんな風になれるんだろうか」って思っていましたけど、いつの間にかなってました(笑)
他の子どもと比較しないことも学びました。昨日の自分の子と今日の自分の子を比較して、今日出来たことを褒めましょうって。昨日と比べて出来たことを「わあ!出来たね!」って喜ぶ。私が喜ぶと、子どもも喜ぶ。怒ることなんて、何もないんですよね。
ひまわり学園には3歳半から6歳まで通いました。最初に子どもを連れて見学に行った時は、子どもたちが皆じっと椅子に座っているのが信じられなかったんですよ。「うちの子も座っていられるようになるのかしら」って。でも座っていられるようになって、子どもなりに集団生活にも慣れていって…凄いなあって思いました。
ひまわり学園を卒園する数か月前に就学相談があって、養護学校(現・特別支援学校)への入学を知らせる通知がきました。普通学校の通級学級へ進んで、他のお子さんについていけなくて苦労するより、私もそれで良かったと思いました。
養護学校の12年間、私はPTAで活動しました。子どもに障害があるとわかった時点で働くことは諦めましたし、当時は放課後等デイサービスもありませんでしたから、仕事が出来ないお母さんが多かった分、PTAが活発だったんですよ。色々ありましたねぇ…(笑)私も「子どものためだ」と思ったら「ここで言わなきゃ」と黙っていられない方で(笑)でも、仲間と一緒に活動するPTAも、それはそれで楽しかったです。