点字図書館を利用される皆さんがつなぐコーナーです。前号の森本さんから、有吉キヌさんへバトンが渡されました。有吉さんは、当館から多くの点字図書を借りられています。今回は、その中でのオススメ本を紹介していただきます。
では、有吉さんよろしくお願いします!
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はじめまして、有吉です。わたしは、2013年から北九州市立点字図書館にお世話になっています。これまでに、いろんな本を読みました。全て点字図書です。これまで読んだ本に「おもしろかった」というものに出会えていません。でも「すごくこわい」思いをしながら読んだものがあります。
それは、「レッド・スパロー(上・下)」です。著者は「ジェイソン・マシューズ」です。この物語は、ロシアとアメリカを舞台に書かれている様な気がします。ロシア国内に潜むアメリカのスパイを暴くため美貌のロシア諜報員ドミニカは青年・アメリカCIA局員ネイトと運命的な出会いをします。そして2人で行動します。これから行く先々で命に関わる事件に遭います。ドミニカは牢獄につながれ、むごい折檻にも必死で耐えていきます。
読んでいくうちにもしかして著者自身がこの様な仕事に携わっておられると思ってしまったのです。そうでないと、この様に詳しく書けないと思いました。そうだとしたら、著者自身、命の危険があるのではと心配になりました。すごく怖かったけど、気になるので最後まで読みました。最後の解説の中で作者自身、この仕事に携わっておられ、今は退職されて静かに生活されておられるとのことで、何だかホッとしました。今後も著者がご健康でお過ごしになられる様、祈っています。
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もしかしたら、作者も同じ仕事をしていたのではないかということを読みながら気づかれる有吉さんの鋭い推察力に驚くとともに、作者のことを心配される優しいお人柄も文章の中で感じました。
こわい小説が好きな方、今までこわい小説には興味がなかった方も読んでみたいと思うようなスパイ小説のご案内をして頂き、有吉さんありがとうございました。
(担当:田代)