今年度の、主な文学賞を受賞した作品のいくつかを、サピエ図書館での着手・完成状況と併せてご紹介します。
●中央公論文芸賞
「自転しながら公転する」 山本 文緒 著
〈内容〉東京で働いていた32歳の都は、親の看病のために実家に戻り、近所のアウトレットのショップ
で働き始めるが…。結婚、仕事、親の介護、ぐるぐる思い惑いながら幸せを求める姿を描く。 (点字・デイジー・テキスト 完成あり)
●三島由紀夫賞
「旅する練習」 乗代 雄介 著
〈内容〉中学入学を前にしたサッカー少女と、小説家の叔父。2020年、コロナ禍で予定がなくなった春休
み、ふたりは利根川沿いに、徒歩で千葉の我孫子から鹿島アントラーズの本拠地を目指す旅に出る。ロー
ド・ノベルの傑作。 (点字・デイジー 完成あり)
●新田次郎文学賞
「商う狼 江戸商人杉本茂十郎」 永井 紗耶子 著
〈内容〉甲斐の農家から江戸の飛脚問屋の養子となった茂十郎は、永代橋の崩落事故で妻と跡取り息子を
失う。その悲しみを糧に、三橋会所頭取となり橋の運営に要する費用を集め…。江戸の繁栄に生涯を捧
げた実在の改革者に迫る歴史小説。 (点字・デイジー 完成あり)
●吉川英治文学賞
「風よあらしよ」 村山 由佳 著
〈内容〉明治・大正を駆け抜けた、婦人解放運動家で作家の伊藤野枝。彼女の短くも熱情に溢れた28年
間の鮮烈な生涯を描いた評伝小説。 (点字・デイジー 完成あり)
●吉川英治文学新人賞
「オルタネート」 加藤 シゲアキ 著
〈内容〉高校生限定のマッチングアプリが必須となった現代。東京の高校を舞台に、3人の若者の運命が、
鮮やかに加速していき…。悩み、傷つきながら〈私たち〉が「世界との距離をつかむまで」を描く。
(点字・デイジー・テキスト 完成あり)
「愛されなくても別に」 武田 綾乃 著
〈内容〉愛情は、すべてを帳消しにできる魔法なんかじゃない-。息詰まる「現代」に風穴を開ける作品。
(点字・デイジー・テキスト 完成あり)