点字図書館を利用される皆さんがつなぐコーナーです。前号の高嵜(たかさき)さんから、森本次生(もりもとつぎお)さんへバトンが渡されました。森本さんは、主に推理小説を好まれ、当館の図書を多くリクエストいただいています。今回は読書の楽しさについて、お話を伺いました。
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―多く読まれた本の中から、おすすめの本を教えてください。
内田康夫の「浅見光彦シリーズ」が大好きで、北九州にあるデイジー図書は全て読んでしまいましたね。推理ものが好きなのですが、「浅見光彦シリーズ」は、特にトリックがすごい。刑事局長の弟でありながら、素人探偵で、本業はルポライターである浅見光彦が、様々な事件にかかわり、警察より先に犯人を突き止め、最後は必ず事件を解決するんです。大どんでん返しがあり、ストーリが面白い。また、九州など実在する様々な地域を詳細に描いており、旅をしているようでとても勉強になります。シリーズの一つ「坊ちゃん殺人事件」は夏目漱石の「坊ちゃん」にちなんで四国松山を舞台に事件が起こり、「俳句」がからむなど、発想がとてもすごいと感じました。
―「浅見光彦シリーズ」はテレビで知っている程度でしたが、お話をお聞きし、とても魅力的な作品だということが伝わりました。ところで、本を読むようになったきっかけや普段の読書の様子を教えていただけますか。
今より視力が良い頃、辰巳琢郎主演の「浅見光彦シリーズ」をテレビでよく見ていました。様々な漫画も多く読んでいました。しかし、視力が落ちてテレビを観たり漫画を読むことが難しくなったため、北九州の点字図書館を利用するようになり、それから、デイジー図書による読書を楽しむようになりましたね。
最近は、ほとんど本を読んでいます。家の中ではもちろん、外出の際、バスや電車の中でもプレクストーク(リンクポケット)を持ち運び、聴いていますね。家ではスピーカーを設置し、夜にはお風呂に入る時以外、ずっと聴いていますよ(笑)。
―それだけ聴いていただき、こちらとしても大変嬉しいです!最後に、森本さんにとって読書とはどのようなものですか。
私にとっての生活の一部。一番の楽しみで、図書がないと夜が寂しいです。外出先でも聴きたいです。そのため、障害のある人が安心して歩ける街になることが最大の望みです。好きな図書を聴きながら、散歩できたら幸せです。
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森本さん、図書の紹介と読書の想いをたっぷりと伝えていただきありがとうございました!
生活の一部である読書環境を支えることができるよう、これからも業務に取り組んでいきます。
皆さんの図書のリクエストをお待ちしています!
(担当:室元)