8月21日(日)、『オープンブレイルライブラリー』を開催しました。
今年で6回目となる当イベント。第7波により感染者が増える中での開催は、不安もありましたが無事に終了しました。
昨年に続き、予約制での開催となり規模は小さかったですが、点字図書館に興味を持ち参加していただけた事で、点字図書館や視覚に障害のある方についてより深く知っていただくことができたのではないかと思います。
参加者アンケートでも、うれしいコメントの数々をいただきました。
次から次へと型を変え、忍び寄るコロナと付き合いながら来年もより多くの方と出会えることを期待しています。
興味のある方はぜひ、来年ご参加ください。職員一同お待ちしています。
今年度の、主な文学賞を受賞した作品のいくつかを、サピエ図書館での着手・完成状況と併せてご紹介します。
●芥川龍之介文学賞
「おいしいごはんが食べられますように」 高瀬 隼子 著
〈内容〉職場でそこそこうまくやっている二谷、皆が守りたくなるような存在で料理上手な芦川、仕事ができてがんばり屋の押尾。心をざわつかせる、仕事+食べもの+恋愛小説。『群像』掲載を単行本化。(点字・デイジー 完成あり)
●直木三十五賞
「夜に星を放つ」 窪 美澄 著
〈内容〉もう何も失いたくない。でもまた人と関わりたいと思った-。「真夜中のアボカド」「銀紙色のアンタレス」など、心の揺らぎが輝きを放つ全5編を収録した短編集。『オール讀物』掲載を書籍化。(点字 完成あり、デイジー・テキスト 着手あり)
●河合隼雄物語賞
「あしたの幸福」 いとう みく 著
〈内容〉中学生の雨音の父が事故で死んだ。父と2人暮らしだった雨音は、親戚の世話になりたくなくて、赤ん坊の頃に家を出た産みの母と一緒に暮らすことを選んだ。どんな名もつかない間柄がつむぐ糸の行方は…。(点字・デイジー 完成あり)
●江戸川乱歩賞
「此の世の果ての殺人」 荒木 あかね 著
〈内容〉滅びゆく世界に残された、彼女の歪んだ正義と私の希望。正義の消えた街で、悪意の暴走が始まった。小惑星「テロス」が日本に衝突することが発表され、世界は大混乱に陥った。そんなパニックをよそに、小春は淡々とひとり太宰府で自動車の教習を受け続けている。小さな夢を叶えるために。年末、ある教習車のトランクを開けると、滅多刺しにされた女性の死体を発見する。教官で元刑事のイサガワとともに地球最後の謎解きを始める。(点字・デイジー・テキスト 着手あり)
●三島由紀夫賞
「ブロッコリー・レボリューション」 岡田 利規 著
〈内容〉泣いてるのはたぶん、自分の無力さに対してだと思う、わかんないけど-。演劇界の気鋭による、15年ぶりの小説集。『新潮』など掲載を書籍化。(点字・デイジー 着手あり)
●山本周五郎賞
「黛家の兄弟」 砂原 浩太朗 著
〈内容〉神山藩で代々筆頭家老の黛家。三男の新三郎は大目付を務める黒沢家に婿入りし、政務を学び始める。そんな中、黛家の未来を揺るがす大事件が起き…。神山藩シリーズ第2弾。『小説現代』掲載に書き下ろしを加え書籍化。(点字・デイジー 完成あり)
●川端康成文学賞
「旅のない」 上田 岳弘 著
〈内容〉10歳と6歳のボーイズは、亀甲柄と市松模様のマスクでやって来た。弟の息子たちを預かることになった夫婦を描いた「ボーイズ」など、コロナ禍中の日々を映す4つのストーリーを収録した短篇集。『群像』掲載を単行本化。(点字・デイジー 完成あり、テキスト 着手あり)