点字図書館を利用される皆さんがつなぐコーナーです。今回は、前号の吉松さんから水上嘉美さんへ――。日頃からいろんなジャンルの本を読まれている水上さんの「お薦めの本」を紹介していただきます。それでは水上さん、よろしくお願いします。
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こんにちは、小倉北区の水上です。
まだまだ暑い日が続いていて、毎日だらだらしていませんか? コロナの感染拡大が続いてなんとなくうつうつしていませんか? そんなときには胸躍る、心ワクワクする、そしてスカーッとするような冒険小説はいかがでしょうか。
「ダーク・ピット」シリーズで有名な、クライブ・カッスラーの「オレゴン・ファイル」シリーズをご紹介します。
訳者が、「懐かしく思い出したのは『サンダーバード』のことだ」とあとがきに書いているように、CIAなどの依頼を受けて犯罪やテロを防止するため、古い貨物船に偽装したハイテク船オレゴン号が、まさに「サンダーバード」の秘密基地のように次々とハイテク装置を表し、その技術を使って活躍するという冒険小説です。
主人公のファン・カブリーヨが初めて登場するのは、「ダーク・ピット」シリーズの『暴虐の奔流を止めろ』ですが、この時、カブリーヨはダーク・ピットたちの味方をして一緒に戦い、片足を失う大けがをしてしまいます。
「オレゴン・ファイル」シリーズでは義足になったカブリーヨが船長として登場するのですが、思わず『白鯨』(メルヴィル著)に出てくるエイハブ船長を思い出してしまいました。
そして、そんな船長を助けるコーポレーションの社員、オレゴン号の乗組員たちも魅力的です。
私が好きなのは、凄腕のパイロットで超イケメンなゴメス・アダムス。いつもカブリーヨの危機一髪を助けてくれます。ほかにも、コーポレーション副社長で作戦部長のリンダ・ロスや医務長のジュリア・ハックスリーの女性キャラもかっこいいです。
ここで内容を色々書いてしまうと、読む楽しさが無くなりますので内緒にしておきます。
残念なことに、まだ点訳・音訳されていない作品もありますが、今後、制作されるのが楽しみです。
どうぞみなさん、最初から最後までハラハラドキドキの「オレゴン・ファイル」シリーズを楽しんでください。
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水上さんありがとうございました。
ご紹介いただいたクライブ・カッスラーのシリーズは、「オレゴン・ファイル」、「ダーク・ピット」の他に、「NUMA・ファイル」、「アイザック・ベル」、「ファーゴ・アドベンチャー」があります。どのシリーズが面白かったなど、感想をお聞かせいただけると嬉しいです。
ワクワク、スカーッを体験してみたい方、ぜひリクエストお待ちしています。
(担当:橋本)