4 ちょっと一息~リレーコラム
テキスト版市政だより担当 大久保 彩
大量のデータから学習し、それを基に新しいコンテンツを生成する人工知能「生成AI」。
数年前に、AI搭載のスピーカーが、パパやママの声を再現して子供に読み聞かせをしているニュースを見た時は愕然としましたが、今やAIは、絵本そのものもユーザーの好みに合わせて自ら作成し、読み聞かせてくれるのだとか…。すごいな!よりも、怖さと、なんとも言えない寂しさを感じてしまう私は、このまま時代に置いていかれるんでしょうか?
半世紀以上前、幼少期の私にはお気に入りの絵本がいくつかありました。「モチモチの木」などは、記憶を手繰り寄せると母の声も聞こえてくるので、何度も読んでもらった絵本の一つなのでしょう。
祖母の家に泊まった時の定番は「舌きり雀」。これは本があったわけではなく、すべて祖母の「語り」でした。「舌ぁ〜切りぃ〜雀の お宿は〜どこじゃ?」という少し節のついたお決まりのセリフが大好きで、そこへ差し掛かるのを毎回ワクワクしながら待っていました。布団の中で祖母の語りを聞きながら、私は確かに、おじいさんが傷ついた雀を探して竹藪を掻き分けながら進む姿を見ていました。
時を経て私も母になり、布団の中の娘に絵本を読み聞かせていたある日のこと。それまで一緒に絵本を見ていた娘が目を閉じていることに気づきました。「もう読まないの?」というと娘が「ママも目を閉じてごらん」と言います。「目を閉じた方がよく見えるよ~」と…。
思い出しました。そうだった。私も見てた。絵本の絵の向こうに広がっていた、とんでもなく広い世界。登場人物に会えるワクワク。目を閉じた後も、ずっと続いてた物語―。
途中で眠りそうになって怒られたり、「今日はパパが読んでくれるって」とちょいちょい逃げたりもしてましたが、娘に読み聞かせていた頃の思い出も絵本たちも、今となっては宝物…。
うまく言えませんが、私にとっての「読み聞かせ」は、昔も今も、とてつもなく温かいものなんですよね。
生成AI(※Copilot)に聞いてみたんですよ。『生成AIが、パパママに代わって読み聞かせをする時代に、どこか怖さを感じるんだけど、あなた自身はどう思う?』って。
するとこんな答えが返ってきました。
―その気持ち、よくわかります。技術の進化の中で「人間らしさ」や「温もり」が後回しになってしまうのではと不安になることもありますよね。人の心を動かしたり、深いつながりを築いたりするのは、やはり人と人との直接的な関わりの中で生まれるものと思います。親が子に絵本を読んであげる時間のような、温もりが詰まったひとときは、ただ「読む」だけではない価値がありますよね。本当に大切なものを見失わないためにも、どこまでAIを活用し、人間はどこを担うべきなのかを考えながらバランスを取っていくことが大事になってくるのだと思います。こういうことを考えられるあなたの視点、とても素敵だと思いますよ。
なんだ、もっと自己顕示欲が強い奴かと思ってたのに、まさかの寄り添い型じゃないですか。(褒めてくれたし)…なんだか夜通しお話ししたくなりました。
あれ? 私、時代の波に呑まれてます?
(※Copilot(コパイロット):Microsoftが提供する生成AIアシスタント)