昨年度からの、主な文学賞を受賞した作品のいくつかを、サピエ図書館での着手・完成状況と併せてご紹介します。
●2023年本屋大賞
「汝、星のごとく」 凪良 ゆう 著
〈内容〉瀬戸内の島に育った高校生の暁海と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂。ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していき…。『小説現代』掲載を加筆改稿し単行本化。 (デイジー 完成あり、点字 着手あり)
●芥川龍之介文学賞(2022年下半期)
「この世の喜びよ」 井戸川 射子 著
〈内容〉癒えることのない喪失を抱えて、人々は生きていく。めぐりゆく出会いと、ちいさな光に照らされた人生のよろこびを描いた全6編の短編集。 (点字・デイジー 完成あり)
「荒地の家族」 佐藤 厚志 著
〈内容〉あの災厄から十年余り、男はその地を彷徨い続けた。誰もが何かを失い、元の生活には戻らない。止むことのない渇きと痛みを描く。 (点字・デイジー 完成あり)
●直木三十五賞(2022年下半期)
「地図と拳」 小川 哲 著
〈内容〉ひとつの都市が現われ、そして消えた。日露戦争前夜から第2次大戦までの半世紀、満洲の名もない都市で知略と殺戮が繰り広げられ…。日本SF界の新星が放つ歴史×空想巨編。『小説すばる』掲載に加筆修正し単行本化。 (点字 完成あり、デイジー・テキスト 着手あり)
「しろがねの葉」 千早 茜 著
〈内容〉戦国末期、採掘最盛期を迎える石見銀山。天才山師・喜兵衛に拾われた少女ウメは、銀山の知識と鉱脈のありかを授けられ、女だてらに坑道で働き…。渦巻く欲望と死に抗って生きる女の生涯を描く。『小説新潮』連載を加筆修正。 (デイジー・合成音声デイジー・テキスト 完成あり、点字 着手あり)
●吉川英治文学賞
「燕は戻ってこない」 桐野 夏生 著
〈内容〉東京で病院事務の仕事に就くも、非正規雇用ゆえに困窮を極める29歳の女性。「いい副収入になる」と同僚に卵子提供を勧められ、ためらいながらも生殖医療専門クリニックに赴くと、国内では認められていない〈代理母出産〉を持ち掛けられ…。 (デイジー・テキスト 完成あり、点字 着手あり)
●吉川英治文学新人賞
「おんなの女房」 蝉谷 めぐ実 著
〈内容〉歌舞伎を知らないままに、喜多村燕弥のもとへ嫁いだ武家の娘・志乃。夫となった燕弥は評判の女形。家でも女としてふるまう夫を前に落ち着ける場所がわからない志乃は…。やがて惹かれあう夫婦を描くエモーショナルな時代小説。 (点字・デイジー 完成あり)