「今日、ぼく、ここで寝る!」
畳に広げた一匹の鯉のぼり。
その中に、男の子がすっぽり収まっています。
鯉のぼりの口から顔を出し、頬杖をついた男の子は、大きな口を開けて顔いっぱいで笑っています。
猫が尾びれのあたりにかじりついています。
「五月(さつき)の鯉の吹き流し」という言葉があります。口を大きく開けて空を泳ぐ鯉のぼりのお腹の中が空っぽであることから、心がさっぱりとしていてわだかまりのないことをいうそうです。鯉に負けないくらい大きな口を開けて笑う男の子の心の中も、青空のように澄み渡っていることでしょう。
(裏表紙 イラストと文 職員A.O)